ブティックチューブアンプで長年の実績があるJohn Suhr。『Suhr PT100 Signature Editionアンプ』はJohn SuhrとPete Thornとのコラボレーションで生まれた3チャンネルのギターアンプです。
ユニバーサルオーディオ(以下、UA)からそのアンプサウンドをエミュレートしたプラグイン『SUHR PT100 AMPLIFIER』がUAD-2ハードウェア、UAオーディオインターフェイス用にリリースされています。このプラグインは、John SuhrとPete Thornにサポートされ、 ハイエンドオーディオソフトウェアデベロッパーであるBrainworx社(ドイツ)が開発。
プラグインの仕様はハードウェアのギターアンプと異なり、下記の機能が加えられています。外観は下図の通り。
チャンネルの選択
3チャンネル装備されていますので、サウンドバリエーションが豊富です。チャンネルは下図Bの「CH SELECT」ボタンをクリックすることで変更が可能です。
※プラグインの話からそれますが、実機のアナログアンプにはフットスイッチが付属されていますので、ペダルでチャンネルの変更が可能です。
チャンネル1
チャンネル1についてのUA社の説明は下記の通り。
伝統的なアメリカンアンプのサウンド。クラシックなクリーンサウンドです。また、クランチ機能としてCRUNCHボタンがアンプのフロントに装備されていますので、これを使用することで、輝きとパンチのあるサウンドが楽しめます。
チャンネル2
チャンネル2は、Pete Thorn のお気に入りであるSuhrのSL68アンプをベースに開発され、多彩な音色を提供します。
チャンネル3
チャンネル3は、Suhrだけが提供できる溶けるような“モディファイされたブリティッシュトーン”を提供します。リッチな倍音、と無限のサスティンを持ち、重厚でジューシーなサウンドをお楽しみください。
サンプルサウンド
Preset Clean Chiken Single Guitar
Pete Thorn Picking Crunch Single Guitar
Pete Thorn Video Song DBL Guitar
ゲインの設定
UAインターフェース、ユニゾンテクノロジーの魅力のひとつですが、ハードウェアのPREAMPツマミとコンソール側の「PT100」のGAINが連動しており、ギターアンプを実際に触っている感覚で操作できます。オーディオインターフェースのPREAMPツマミを数秒押し続けると、チャンネルに設定されているUnison対応プラグインのゲインステージを操作可能です。ツマミの色がグリーンからオレンジに変わり、アンプのGAINボリュームとして機能するようになります。(Apollo 8 Duoでの例です)
CH1を選択している場合、CH1のGAIN1が連動して動きます。(下図C)
CH2を選択している場合、GAIN2が連動して動きます。(下図D)
CH3を選択している場合、GAIN3が連動して動きます。(下図E)
マスターボリューム
各チャンネルのLEVEL1、LEVEL2、LEVEL3がマスターボリュームになっています。
Brainworx FX Rack
「Brainworx FX Rack」には、ビンテージディレイ、ノイズゲート、切替可能なハイ/ローパスフィルター、パワーソークサーキットを搭載しています。
下図Aをクリックすると、下図の通りFX Rackが表示されます。
1.NOISE GATE
アナログなギターアンプの場合、GAINを上げてディストーションをかけると「シャー」というノイズが出ます。アナログなイフェクター接続ではノイズゲートを使うギタリストも多いかと思いますが、
このプラグインにはノイズゲートの機能が備わっており、トグルスイッチをオンにすればプラグイン内でその設定が可能となります。
テスト的にスレッショルドの設定を変えてみました。当たり前のことですが、かけすぎるとギター音の一部が不自然に途切れますので、設定はほどほどに。ノイズゲートのかかり具合はプリセットの中で歪系のものを選択すれば、サンプル設定が確認できます。
2.ビンテージディレイ
ビンテージディレイも同様にトグルスイッチでオンにできます。ディレイタイムはアナログなイフェクト設定と同様に「TAP」ボタンを装備していますので二度タップ(Mac画面のため、二度クリックして)で調整できます。またパラメータとして数値での入力も可能となっています。
[HOST BPM]
ホストのDAWで設定したBPMが表示されています。Pro Toolsで試してみました。ホスト側でプラグインで呼び出した場合、そのBPMに連動するようになっています。直接UAのConsole内Unisonで接続すると、この機能は連動しませんでした。
実際に使ってみました
その機能とサウンドをApollo 8 Duoで試してみました。アンプサウンドを再現するユニゾンテクノロジーの機能を使うため、上図黄色枠にてPT100を選択しています。
EMGのアクティブピックアップでサウンドを試してみました。サウンドはこのブログでアップしていませんが、使用した印象のみ書いてみました。まずは、レイテンシーは全く感じません。プリセットのサウンドで、おすすめの設定を参考にしてみました。やはりプリセットのサウンドから見てもひずみ系サウンドのバリエーションが豊富で、クランチからディストーションまで幅が広いです。個人的には「HERE WE GO TO THE 80S」が好きです。パッシブのピックアップをつないでみたいところです。(余談ですが、現在テレキャスが故障中です)
真空管の特徴であるウォームなオーバードライブやハイゲインのディストーションを作りたいギタリストに適していると思いますが、Pete Thornの名前がアンプについているだけに、彼のサウンドキャラクターが好みに近いかどうかが選択基準になるかもしれません。
CH2、CH3には、FEEDBACK、PRESENCEのツマミがあり、プリセットでも両コントロールの設定がされています。下記はマニュアルに記載されていた機能説明。
[FEEDBACK]
フィードバックこのコントロールにはセンタークリックがあり、パワーアンプセクションの全体的なフィーリングをソフトでスムースなサウンド(低い設定)からタイトでアグレッシブなサウンド(高い設定)の間でコントロール可能です。
[PRESENCE]
トーンに与える高域の量を調整します。時計回りに回すと、高域の輝きが増します。
[Universal Audio]Suhr PT100 Amplifier製品説明
[Universal Audioプラグイン]Suhr PT100 操作マニュアルはこちら(PDF)